梅田神社

2016/08/30 紹介

ここ旭町の印地区は田園の中にある小さな集落です。めったに車の音もせず、外の人が来ると言えば郵便の配達や荷物の配達ぐらいです。

その静かな集落の入口に、亀岡で一番古い神社建築物を持つ神社があります。

梅田神社です。

梅田神社のには、一際大きな目印があります。

梅田神社のケヤキ
梅田神社のケヤキ[/caption]

ケヤキの木です。高さ28m、樹齢200年~299年の巨木です。真下から見上げると更に大きく、視界からはみ出すほどです。近くに建っている電柱と見比べても、3倍ぐらいはありそうです。

ケヤキの隣には、ムロノキが立っています。ケヤキと並ぶと小さく見えますが、高さ12mもあります。これだけのムロノキの高木は珍しいのだそうです。

梅田神社のムロノキの看板
梅田神社のムロノキの看板

大きな木々の下に、石の鳥居があります。下をくぐると拝殿があります。その後ろに神門があり、一番奥にあるのが本殿です。

梅田神社の鳥居
梅田神社の鳥居

先ほど、亀岡で一番古い寺社建築物と言いましたが、亀岡市内で記録に残る寺社建築の中で一番古いが正しい表現です。見つかった棟札に、建武五年(1338年)に建てられて、長禄(1459年)に再建されたと記されていたのが証拠です。

梅田神社の神門と本殿
梅田神社の神門と奥の本殿

その一番古い建築物が本殿です。重要文化財に指定されています。

この本殿が建てられたのは建武五年ですが、創祀(そうし)、最初にここに神様が祭られたのは、和銅二年(709年)です。ちょうど飛鳥時代の終わりごろです。飛鳥時代と言えば、聖徳太子の時代です。

今年が2016年です。

2016年-709年=1307年

1307年前?まったく想像がつきませんが、梅田神社は1307年の間ずっとここにあるということです。

丹波守の夢に、老翁が立ち、「清水が湧き出るところがあるから、そこに宮殿を建てて、天児屋根命(あめのこやねのみこと)を祭なさい」と言われたのが始まりです。

天児屋根命は、日本神話に出て来る神様です。

天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸に隠れてしまうという神話を聞いたことありませんか?

天児屋根命は、美声の持ち主で、天照大御神が、天岩戸に隠れた時に、祝詞を奏する役を担当したそうです。

梅田神社には、神話の神様が祭られているのです。

天児屋根命は、飛鳥時代の政治家中臣鎌足(藤原鎌足)を祖とする藤原氏の氏神として信仰されたそうです。たしかに、この集落には、藤原姓の方が多く住んでおられます。

やっぱりなにか関係があるのでしょうか?

実際に、関係あるのかどうかはわかりませんが、梅田神社がこの集落でずっと大切にされてきたのは確かなようです。

今でも、祭事が行われています。

でも、神主さんはいません

いやいます。

集落の人が毎年交代で神主を務め行っています。村の人が交代で神主をしているって、なんだか素敵な話だと思いませんか?

こんなふうに1307年の間、ずっと大切にされてきたのだと思います。

そして、梅田神社が、その人々や風景を見ながら、1307年の間、ずっとここにあったのかと思うと、とても不思議な気持ちになります。

梅田神社
梅田神社

梅田神社
所在地:京都府亀岡市旭町宮ノ元23
地図

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